コラム KAZU'S VIEW

2012年07月

ロンドンオリンピック2012は東日本大震災の復興の勢いを促進するか


ロンドンオリンピックが2012年7月27日から8月12日までイギリスのロンドンで開催された.第30回目の夏季オリンピックで,204の国と地域から約11,000人が参加し,史上初めて26競技の302種目の全てで女性選手が参加できる大会運営になったという.日本のメダル獲得数は,金メダル7個,銀メダル14個,銅メダル17個で合計38個になった.この数字は2004年のアテネ大会の37個(金16,銀9,銅12)を上回り,史上最多になるらしい.しかし,比率は金が半減,銀と銅が1.5倍になっている.金メダリストの性別内訳はアテネ大会では男子7個(団体1を含む),女子9人に対し,今回は男子3人,女子4名であるが,比率はほぼ同一である.なお,金銀銅の3種のメダルの合計数の男女比率は,いずれの大会でも男子が女子の1.2倍で一定である.

国別メダル獲得数ランキングでは1位のアメリカ(104個,金46,銀29,銅29)から中国(88個),ロシア(82個)イギリス(65個),ドイツ(44個)に次いで日本は第6位であった.この数字を国民何人当たりで1個のメダルを獲得したか,という数字でランキングすると,1位はオーストラリアで,国民約64万人で1個のメダルを獲得したことになる.このランキングでは日本は,9位で336万人で1個のメダルを獲得していることになる.これは,オーストラリアの5倍となる.また,メダルを1個獲得するためのGDP(国内総生産)額で見ると,最も少ない額でメダルを獲得した国はロシアで,1個当たり226億USドルである.このランキングでは日本は,10位で,1544億ドルとなっており,ロシアの7倍という数字になる.これらの数字はメダル獲得において人的資源や資金的資源の運用効率が悪いという見方もできるが,一方で,スポーツ振興・選手強化にお金や人財を活用する余地がある国だとも考えられる.

世界の総陸地面積1億5000万Km2に占める日本の陸地面積は38万Km2で,世界の陸地のたった0.25%しかない国が,2010年の世界のGDP総額62,882 (10億ドル)に対し8.7%(世界第3位)の経済価値を生み出している.今回のロンドンオリンピックには,日本から総勢514人が派遣されている.その内訳は,役員221人,選手293名である.選手の内訳は男子が137人,女子が156人だという.役員と選手の比率を見ると役員の比率が高いような気もするが,オリンピックの運営に日本は欠かせない国になっていると言うことであろうか.

今回のオリンピックで,印象に強く残っているシーンは,日本柔道界で唯一,かつ,ロンドンオリンピックで日本最初の金メダリストとなった女子柔道の松本薫(マツモト カオル)選手の映像であり,その表情の厳しさは,テレビからでも感じることができた.彼女の活躍は,その後の日本選手に勢いを付けた.松本選手の出身は石川県であることで,その活躍は地元でも大いに話題を呼んだ.また,第6回FIFA女子ワールドカップドイツ2011で優勝した,なでしこジャパンはワールドカップ決勝戦と同一カードでアメリカとの対戦になったが,1−2で惜敗し,銀メダルとなった.彼女らをはじめとする,日本選手の活躍は,東日本大震災に対する各国からの支援や声援に対する日本人の返答としてのアピールであり,長い復興への道のりを歩き始めた日本の姿の鏡として世界が見たと当時に,日本から声援している国民には,彼女達や彼らのスポーツへの直向(ヒタム)な姿勢,努力と行動結果から多くの元気と勇気,そして,陽気さを共感とともに与えてくれたのではないか.この勢いをどこまで高め,持続できるかを強く感じた.
以上
平成24年7月


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