コラム KAZU'S VIEW

2024年12月

人類繁栄とその未来：人類の現状をマルサスの罠から考える：

元旦の令和6年能登半島地震で始まった甲辰（キノエ・タツ）の年も残り僅かとなった. 「甲」と「辰」の関係は,「木の陽」が重なる「比和（ヒワ）」と呼ばれる組み合わせで,同じ気が重なると,その気は最も盛んになる.その結果が良い場合にはますます良く,悪い場合にはますます悪くなるという関係性であるとされている[1].能登地域は,正月の震災に加え,9月21日の豪雨災害にも見舞われ,未だに行方不明者がおられ,インフラの復旧も道半ばの状況である.一方で,オリンピックイヤーであった今年のスポーツ界では,オリンピックメダルの獲得数の45個（内,金メダル20個）を始め,MBLの大谷翔平の50：50（50本ホームランと50盗塁超え）の新記録達成などの記録ラッシュに加え,国技の大相撲での尊富士の新入幕・初優勝[2],石川県津幡町出身の大の里の初入幕から5場所での大関昇進などの記録の話題が対照的な出来事であった.私事としては,誕生日を前後して,47年ぶりの入院や人生で初めての新型コロナ感染などの体験をした[3].そして,年末にはここ30年程記憶の無いインフルエンザの感染という健康管理上の問題が表出した1年であった.そんな1年を振返り,新たな乙巳（キノト・ミ）の年への心づもりをしてみた.

令和6年,甲辰の年のコラムのタイトルから(注1)自分のこころの動き,興味関心の重点を眺めてみた.まず,時間に関する認識の変化である.数百年から数千年に1回程度おこる自然災害のいい加減さに,人はどのように対応したら良いか.その中で,これまでは生活との距離感を感じていた100年という時間の長さが,「人生100年時代」,「百寿者」,「100年来の異常気象」などの言葉から身近になって来たことが,この1年での大きな認識の変化となった.次いで, 人間の心の動きである「情動」に関する認識の変化である.すなわち,情動は,生まれつき組み込まれている,身体の内部で起こる明確に識別可能な現象とされてきた.これは,情動が人類の生存に当たって優位性を与えてくれる進化の産物であり,生物学的な一構成要素として備わっている,とされて来た人類が2000年以上に渡って認識してきた事,すなわち「古典的情動理論」は誤りであるという主張である.これに対し,「構成主義的情動理論」では,「情動は組み込まれたものではなく,五感情報や経験・予測などの基本的なパーツから構成されるものである」また,「情動は引き起こされるものではなく,本人が学習や経験により構築するものである」.従って,「今日の経験を変えれば,明日の自分を変えられる.」という認識になる.この認識感は,動的平衡論的生命観,すなわち, 人の体を構成する37兆個の全ての細胞の中で,全ての分子は高速で分解され,食物として摂取した分子と置き換えられる.こうして生物の体を構成する細胞の分子は,常に作り替えられ,更新されていく.「1年前の自分は別人である」と言う主張に通じるものである.以上の時間と心の動きの2つの認識の変化が,この1年間での自身の変化として自覚されたような気がする.

そんな自身の変化を意識する中で,人類がこれまでに残してきた足跡から,その種としての繁栄をどのようにして築いてきたか,をその数量,すなわち,人口に着目して描いたTV番組が思い出された.タイトルは,「FRONTIERS―その先にみえる世界-「80億人-人類繁栄の秘密-」[4]であった.番組用のPRサイトには, 「2023年,世界人口は初めて80億人を超えた（注2）.人類は,なぜここまで大繁栄できたのか？そこには,太古の時代から刻まれた人類の“特別な本質”が関わっていた.」とうい見出しが出ていた.この番組が用意した回答,すなわち,「人類の特別な本質」とは,ブライアン・ヘア(Hare, Brian),ヴァネッサ・ウッズ(Woods, Vanessa)の仮説[7]である「自己家畜化(self domestication)」であった. 自己家畜化とは,野生生物が人間との共同生活に適応する過程のことであり,とくに人間が直接家畜に適した形質を選抜して繁殖させること（人為選択）なしに,それが達成されていることを指す. 自己家畜化が,「友好性」を生み出し,助け合う心,共感性を生み出している,と言うのがこの番組の主張である.この考え方は,モノを加工する道具利用の文化は,物体的な加工だけではなく⼈間の周辺の生き物たちにも適用されたものである.農耕・牧畜とは,⼈間が野生としての生き物たちや自然に関与して,都合よく改良していく行為であり,一種独特のゆっくりとした道具化と考えられる.農耕・牧畜を広く表わす用語は,ドメスティケーション（domestication,家畜・栽培化）だが,イメージしやすい言葉としては「家畜化」がわかりやすい（注3）.⼈類の進化の過程では,共感能力や協力行動がサバンナ環境で生き抜くために重要なことから,幼形成熟(neoteny,ネオテニー：注4)のような家畜化症候群が作用したのではないかという仮説が現実味をおびて語られだしたことを背景としている[8].この番組では,人類繁栄の過程で,「人類絶滅の危機」に瀕したことも紹介している.すなわち,6万年前にホモ・サピエンスは,アフリカを出て,世界中に拡散し,それぞれの地域でその多様性を拡大していった.しかし,出アフリカ(out of Africa model)以前の7.4万年前にスマトラ島のホバ火山[9]の大噴火で「火山の冬」が訪れ,地球全体が寒冷化し,人口が減少した.その後,大きな進化,すなわち,ホモ・サピエンスは,7.4万年以前に既に弓矢（石器としての矢尻）を手に入れていた,と言う仮説が紹介されていた.更に,中国科学院大学のワンジー・フー(Wangjie Hu),リ・ハイペン（Haipeng Li）らによる現代人3154人のゲノムデータの解析から,81.3万年前,ホモ・サピエンスの人口が,10万人から1000人程度まで減少し,絶滅の危機に直面した（注5）という解析結果が紹介されていた.この危機を乗り越えられたのは,進化と火の使う術であったという解説がなされていた.以上のホモ（ヒト）属の繁栄の背景に,種を超えた「自己家畜化」による共感性を基軸とした知識によって,道具の改善を継続的に行い,これを大きな集団（組織）としてより効率的,効果的に行えて来たことがその反映の理由であることに対し,人口問題には, マルサスの罠(Malthusian catastrophe:注6)という経済学上の命題がある. トマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus:1766–1834年)が 1798年の著書「人口論」[14]に示した考えで,技術革新が起こると食料供給が増加し,所得水準が一時的に上昇するが,それによって人口が増加し,飢餓などの人口激減イベントが起こり,再び所得水準が元のレベルに戻るという考えである.一部の経済学者は,19世紀初頭の産業革命以来,人類はマルサスの罠から抜け出したと主張している.一方で,貧困地域が存在することはマルサスの罠が未だに健在であることを示唆すると主張する研究者もいる[15].

現在,ホモ・サピエンス（賢い人）のみが,ホモ（ヒト）属のサピエンス（カシコイ）種として生き残っている.この進化の足跡の中で,時間とその流れと共に変化するヒトに対する認識方法の変化が,自分を含めた「ヒト」に対する興味関心をより深めて行く.80～100億人分の1のホモ属として,これまでの歴史とこれからの歴史に少しでも関われたことは,幸せなことか,否か.残る自らの人生にその答え見出すことを楽しみに出来れば幸せな人生と言えるのではないか. ホモ・サピエンスは, 道具利用の文化を物から生物まで範囲を広げ,種の存続を維持し,発展してきた.そして21世紀中には世界人口は100億人を超えるが,25世紀には10億人まで減少し,19世紀の規模にまで縮小するという予測もある[5].これは, マルサスの罠に起因するものなのか.一方で, 道具利用の進化は,核エネルギーやAIなどの技術がホモの制御の枠を超える可能性が懸念されるまでになっている.さらに,自己家畜化の成果として獲得した友好性・社会性・共感能力は,攻撃性の側面も併せ持つという指摘もある（注7）. ドイツの哲学者マルクス・ガブリエル（Markus Gabriel;1980年-）は,「私たちは自分が何者であるかを意識しながら人生を送ることで自己表現をしている.AIにも他の動物にもそれはできない.だから,私は人間を『神的動物』と呼ぶ.精神の自己表現をすること.それが人間の条件だと私は考える.我々は道徳的真実を見つけ出し,実践するために存在しているのだと考えねばならない」と述べている[16].若きドイツの哲学者の言葉をヒントに「精神の自己表現」に取り組むのも乙巳（キノト　ミ）の年の一興かも知れない.インフルエンザの後遺症（？）による蓄膿症で重く,霧のかかった頭で妄想した.

(注1)令和6年1月から11月までのコラムZazu KAZU'S VIEWのタイトルは以下のものである.
2024年11月いきものは諸行無常そのものか：福岡伸一の動的平衡論的生命観：
2024年10月 AIの光と影：ノーベル賞がAIの研究者に与えられた意味を考える：
2024年09月敬老の日に思う「老いの幸せ」とは
2024年08月体調変化の自覚の仕方-心身の関係性から見た老化の意味-
2024年07月パリオリンピック2024は日本の失われた30年の転換の機会になるか
2024年06月ヒトはなぜ歌うのか―絆づくりの事始め－
2024年05月国家とは何か―改めて考えてみる自分にとっての国の価値―
2024年04月薯童謠（ソドンヨ）で感じたこと―個人と国家の幸せの融合―
2024年03月 100年に一度の意味を考える―尊富士の偉業からの気づき―
2024年02月喜怒哀楽を通じた自己変革の確認法-構成主義的情動理論の適用の試み　　
2024年01月甲辰年の三が日は衝撃的なニュースの連続だった.
(注2) 国連の人口統計によると1800年に10億人であった世界人口はその後,指数関数的に増加し,2023年には80億人となり,2086年に104億人をピークに減少に転じ,2450年頃には10億人程度になると予測されている.そして,今世紀中に世界の人口がピークを迎える可能性は確率80パーセントと推定されている[5],[6].
(注3)家畜化が可能になる特徴としては,攻撃性の低下,従順化と協調性,繁殖管理のし易さなどがある.まずはその動物が,⼈間のすぐそばで生活するようになる自発的な⼈馴れ（能動的従順性）をもつことが第一歩となる.おそらく野生のオオカミに能動的従順性を持つものが現れて,相互関係（自然選択と⼈為選択）によってオオカミイヌが生じたのが最初の関係構築だっただろう.当初は狩猟での競合関係にあったものが,歩み寄りとおこぼれ入手などによる接近,餌付けとともに協調的な行動が生じて,狩猟の補助役のような関係が生まれたと考えられている. 獲物をいち早く見つけて追いつめるイヌのおかげで,⼈間の狩猟も助けられて,相互にメリットとなる蜜月の関係が築かれた.こうした共感力と適応能力の拡大によりヒトのさらなる繁栄へとつながったと考えられる.オオカミが家畜化（オオカミイヌ）された形跡が3万年前頃にみつかったとされる. 家畜化について研究では,ロシアのミトリー·コンスタンチノヴィッチ·ベリャーエフ(Дмитрий Константинович Беляев;1917-1985年)等が1950年代後半から長年にわたり試みた飼育実験で興味深い事実が示され,世界的に注目された.攻撃的なギンギツネ(Vulpes vulpes)で比較的従順なものだけを選んで長い世代にわたって飼育した結果（数十世代,約50年間）,従順なキツネに変身したとされる.選択交配したキツネは,⼈を恐れず,尻尾を振ってなつき,見かけも毛皮の色が変わり,耳が垂れてしっぽが巻きあがるようになった.キツネとオオカミは,同じイヌ科の仲間であり,まさにイヌの家畜化の様子が再現されたかのような飼育実験であったとされた.しかし,その後,彼らが使ったキツネの一部に,人間によって飼育されたキツネが入っていたとの指摘もされている[8].
(注4) ネオテニーは「幼形成熟」「幼態成熟」などと訳され,生物学的には,幼生や胎児にみられる特徴が成体になっても残っていることをいう.そして生物学の世界では,ヒトもネオテニーの特徴を持つ生き物だと指摘されている.ヒトの赤ちゃんが,チンパンジーの赤ちゃんと同じぐらいの発達状態で生まれてくるためには,2年ほどを母親のお腹の中で過ごさなければならない.しかしそれでは体が大きくなりすぎて産めなくなってしまう.よって「早産」の形で誕生し,生後の1年間は,実は胎児の延長という考え方である.ヒトが自分で餌を取れるようになる（独り立ちできる）までの期間が長いのは,そのためである[10].進化論においてネオテニーは,進化の過程に重要な役割を果たすという説がある.なぜなら,ネオテニーだと脳や体の発達が遅くなる代わり,各種器官の特殊化の程度が低く,特殊化の進んだ他の生物の成体器官よりも適応に対する可塑性が高い.そのことで成体になるまでに環境の変化があっても柔軟に適応することができるとされる[11].
(注5)中国科学院大学のリ・ハイペン氏らは,FitCoal法（fast infinitesimal time coalescent process）と呼ばれる新しい分析を用いして, 世界各国から集めた現代人3154人（アフリカ系10グループおよび非アフリカ系40グループ）のゲノムデータを解析し,遺伝子を過去にさかのぼったところ,およそ93万～81万3000年ほど前,現在の私たちにはある遺伝的多様性が,最大65.85％も失われていたと言う報告をしている.この遺伝的ボトルネック（種の数が著しく少なくなる現象）などから推測すると,10万人近くいた人類の人口がわずか1280人にまで激減していたと考えられるという[12],[13].
(注6) マルサスの罠は,トマス・ロバート・マルサスによって述べられた政治・経済に関する思想であり,産業革命期に展開された.その著書では,抑制されない人口増加が指数関数的（Malthusian growth model）になる一方で,食料供給の増加は線形（linear）的になることが予測されており,いかにしてマルサスのカタストロフィーに至るかが述べられている[14],[15].
(注7) 古沢広祐[8]は, 攻撃性には以下の2つがあるとしている.
①「反応的攻撃性」（情動・衝動的な暴力）,
②「能動的攻撃性」（冷静・計画的暴力）
その上で,ヒトは進化的には,反応的攻撃性を抑制させてきた一方で,能動的攻撃性は強化して来たと指摘する.未だに地球上で絶えず発生しているジェノサイドや戦争というホモ属同士の殺戮を考える上で,共感能力の裏返しとしてのヒトの攻撃性の存在を指摘してる.

参考文献・資料
[1] 村上瑞祥, 2024年の干支「甲辰」はどんな年？春の日差しが平等に注ぎ大きな成長を促す年に, LIFULL HOME'S PRESS,　https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_01322/ ,2024.12.25アクセス
[2] 石井和克, 100年に一度の意味を考える―尊富士の偉業からの気づき―,コラム KAZU'S VIEW,2024年03月, https://ishii-kazu.com/column.cgi?id=249　, 2024.12.25アクセス
[3] 石井和克,体調変化の自覚の仕方-心身の関係性から見た老化の意味-,コラム KAZU'S VIEW,2024年08月, https://ishii-kazu.com/column.cgi?id=254　,2024.12.25アク
[4] NHK,FRONTIERS-その先にみえる世界-「80億人-人類繁栄の秘密-」, https://www.nhk.jp/p/frontiers/ts/PM34JL2L14/episode/te/R8Y89VV96Z/ , 2024.12.19アクセス
[5] United Nations, Department of Economic and Social Affairs, World Population Prospects 2024-Summary of Results-, https://population.un.org/wpp/graphs , 2024.12.19アクセス
[6] Robert W. Grubbstrom, The world population development according to a dynamic extension of the Wicksellian production function, Sustainability Analytics and Modeling 4 (2024),pp.1-14, https://www.sciencedirect.com/journal/sustainability-analytics-and-modeling/vol/4/suppl/C ,2024.12.19アクセス
[7] ブライアン・ヘア,ヴァネッサ・ウッズ(Hare, Brian and Woods, Vanessa)著,藤原多伽夫訳,ヒトは〈家畜化〉して進化した-私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか-,白揚社（2022）Survival of the Friendliest: Understanding Our Origins and Rediscovering Our Common Humanity (English Edition),Random House(2020)
[8] 古沢広祐, 人新世におけるヒトの大加速化,文化進化,自己家畜化に関する一考察-総合
人間学の構築に向けて(4)-, 総合人間学,第17巻,pp.61-77, https://www.jstage.jst.go.jp/article/synanthro/17/0/17_61/_pdf/-char/ja ,2024.1
2.19アクセス
[9]ナショナルジオグラフィック,ホバ火山の大噴火, https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/031400115/ , 2024.12.19アクセス
[10] パワーインターラクテイブ,ネオテニーとは何か,人材の可能性を見出す新しい軸としてhttps://www.powerweb.co.jp/blog/entry/2024/06/05/100000 ,2024.12.19アクセス
[11]フリー百科事典（ウィキペディア（Wikipedia））, ネオテニー, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%86%E3%83%8B%E3%83%BC ,2024.12.19アクセス
[12] カラパイヤ,人類の祖先は90万年前に絶滅寸前の危機に直面,98.7％の急激な人口減少が明らかに, https://karapaia.com/archives/477305.html , 2024.12.19アクセス
[13] Wangjie Hu,Ziqian Hao,Pengyuan Du,Fabio Di Vincenzo, Giorgio Manzi,Jialong Cui,Yun-Xin Fu,Yi-Hsuan Pan, and Haipeng Li, Genomic inference of a severe human bottleneck during the Early to Middle Pleistocene transition,
Science,Vol.381,No.6661,pp.979-984 (31Aug2023)
[14] Malthus, T. R., An essay on the principle of population, as it affects the future improvement of society. With remarks on the speculations of Mr. Godwin, M. Condorcet and other writers, https://archive.org/details/essayonprincipl00malt/page/n7/mode/2up ,2024.12.19アクセス[マルサス著,斉藤悦則訳,人口論,光文社(2011)]
[15] フリー百科事典（ウィキペディア（Wikipedia））,マルサス主義, https://en.wikipedia.org/wiki/Malthusianism , 2024.12.19アクセス
[16] 渡部泰成,「AIは異星人の知性」-哲学界の若き巨人が鳴らす警鐘-テクノ新世インタビュー　ボン大学のマルクス・ガブリエル教授,テクノ新世,2023年7月3日,日本経済新聞, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF162LY0W3A610C2000000/ ,2024.12.25アクセス
令和6年12月
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